
仏教とは、悟りを得て仏(ほとけ)になるための教えです。仏教の宗派はいろいろありますが、すべて仏になることを目的としています。仏といっても死ぬことではありません。仏になるということは、この世にある全ての苦しみから離れて、常に幸福な気持ちでいられる自分になることです。そのような事は非常に難しい事かもしれません。ただし、難しいから努力しないのでは、いつまで経っても幸福になれないはずです。
人々はみな幸福になりたいから、毎日その目標に向かって仕事をして、知識を得ようとしているはずです。仏教では物や知識を得る幸福ではなく、生き物が精神的に幸福になる方法を説いているのです。真言宗では、その幸福になる1つの方法として十善戒というものを説いています。これは読んで字のとおり、10の善い行いをするための戒めです。
生き物を害さない。
すべての者を慈しみ、はぐくみ育てあげること。
他人の財産を奪わない、壊さないこと。
みだりに不特定の者と姦淫しないこと。
嘘を言わないこと。
才能や徳がないのにあるようにみせないこと。
誠心もなく、飾り立てた言葉、ありもしない事を言って人に
へつらわないこと。
人をからかったり恐怖心をあおったりしないこと。
人の悪口や陰口を言わないこと。
驕りたかぶって他人を見下さないこと。
二枚舌を使わない。
人と人の親交を不仲にしないこと。
お金や物を得ることだけを考えずに、仏になるということを目標とすること。
感情を出すことを耐え忍んで、相手のすべてを包容し理解して怒らないこと。
自分が正しくて、他人は間違っているという感情を持たないこと。
人生は思い通りにならないと感じ、それを楽しむこと。
ひがまない。
物事を正しくまっすぐに考える。ひねくれて考えないこと。
物事や現在の状況が常に変わらないと思わないこと。

とは言え、これをすべて実行することは難しいことです。いきなり100パーセントをする必要はないと思います。少しずつ自分のできる事から努力していけば良いのです。努力を継続することが重要なのです。人間は皆、未完成なものです。完全無欠な人間、すべての人に好かれて、間違ったことは言わず、すべてのことを知っている。そして、常に心が安定した状態にある。そのような人をまさに仏さまというのです。
私たちは、その仏さまに向かって毎日努力していけば良いのです。そのような仏に本当になれるのか?現実にお釈迦様と弘法大師は仏になったといわれています。私たちもお釈迦様や弘法大師と同じ人間です。皆が少しずつこの十善戒を守るよう努力していけば、自分も幸福になり、まわりの環境・対人関係なども良くなり、お釈迦様や弘法大師と同じく仏として心の安定を得られることでしょう。